スポット展示 「五月人形飾り」
「端午の節句」は、病気や災厄を除く行事として始まりました。薬効の強い菖蒲を飾るなど延命を祈願する日でもあります。元々は五月初めの午の日でしたが、次第に五月五日に定着していきます。優雅な平安時代でも、この日は競馬(くらべうま)や騎射(うまゆみ)など勇壮な行事がおこなわれましたが、武士の世になると一層盛んになります。「菖蒲」を「尚武」、つまり武を尊ぶ意味をかけたのです。家の跡取りである男児が健やかに成長しますようにと願いを込めて、江戸時代になると武者人形を飾るようになります。
京都では武者人形を親しみを込めて「大将さん」と呼びます。今回展示する五月人形飾りは、応神天皇と忠臣かつ長寿で縁起が良いとされる武内宿禰に、家来が脇に控え、白馬が従い、菖蒲や粽が彩りを添えます。さらに関西の飾り方の特徴として虎の人形が加わります。兜をかぶらない、典雅な柔らかい関西風の五月人形をどうぞお楽しみください。
◆会期:2013(平成25)年4月10日(水)~5月27日(月)
◆会場:2階展示室 むかしの道具エリア 日本民家ステージ内