第133回展 「こけし -鳴子と弥治郎-」
こけしは東北地方の郷土玩具で、江戸時代末期には存在が確認されています。丸い頭に細い胴という形状は同じですが、顔の表情や胴の模様など、産地によって特色があります。産地ごとに11系統に分かれます。各系統ごとに長い伝統に基づく約束事があり、親子や師匠弟子の間で受け継がれていきます。
今回はその系統のなかから鳴子と弥治郎をとりあげます。ともに宮城県の産地ですが、それぞれに工人の個性が光るこけしたちをお楽しみください。
◆会期 :2008(平成20)年2月25日(月)~3月29日(土)
◆開館時間:月~金 午前10時~午後6時/土・祝 午前10時~午後4時
※閉館30分前までにご入館下さい。
◆休館日:毎週日曜日
◆入館料:無料
◆会場:東京天理教館ビル9階 天理ギャラリー
◆イベント&列品解説(同時開催)
イベント「こけしのできるまで実演」
日時:2008(平成20)年3月7日(金)、3月20日(木・祝) 午後1時30分から
講師:佐藤誠孝氏(伝統こけし工人/弥治郎系)
列品解説
担当:幡鎌真理学芸員
※ 上記内容は都合により変更する場合もございます。
◆主な展示品
・鳴 子 系-高橋勘治、大沼岩蔵、高橋直次
・弥治郎系-新山栄五郎、佐藤今三郎、本田亀寿ほか
展示図録
サイズ/B5版、カラー32頁
頒 価/600円
展示詳細
こけしは東北地方に特有の郷土人形です。こけしの起源は諸説ありますが、江戸時代末期には存在が確認されており、木地師が湯治場のみやげものに作ったのが始まりではないかという説が有力となっています。
こけしは丸い頭に細い胴という形状は同じですが、東北六県に分布する産地ごとに形態や描彩に伝統的な約束事があり、師弟間で伝承されてきました。これを系統といい、ほぼ11の系統に分かれます。
今回は、その系統のなかから鳴子系と弥治郎系をとりあげてご紹介いたします。ともに宮城県の産地ですが、一見して受ける印象が異なります。華やかな胴模様、安定感のあるかたちの鳴子。ろくろ模様を駆使し、頭に比べて胴の細い弥治郎。皆様どちらがお好みでしょうか。
伝統のなかで、それぞれに作り手の個性が光るこけしをどうぞお楽しみください。
出品リスト
鳴子系
No. 工人名 大きさ 師匠名 生没年
1. 高橋勘治 八寸 大沼利右衛門 万延元年~大正10年
2. 高橋盛 八寸五分 高橋勘治 明治23年~昭和48年
3. 高橋盛 八寸五分 高橋勘治 明治23年~昭和48年
4. 大沼誓 九寸 高橋勘治 明治23年~昭和35年
5. 大沼岩蔵 七寸 大沼岩太郎 明治9年~昭和25年
6. 大沼岩蔵 六寸 大沼岩太郎 明治9年~昭和25年
7. 大沼甚四郎 尺一寸 大沼岩太郎・大沼岩蔵 明治15年~昭和19年
8. 大沼健三郎 六寸 大沼岩蔵 明治27年~昭和58年
9. 秋山忠 八寸 大沼岩蔵 明治21年~昭和22年
10. 秋山耕作 尺一寸 秋山忠 明治14年~昭和29年
11. 桜井こう 一尺 桜井万之丞 明治30年~昭和53年
12. 桜井昭二 一尺 大沼岩蔵 昭和2年~
13. 桜井昭二 五寸 大沼岩蔵 昭和2年~
14. 大沼君子 九寸 大沼新兵衛 大正4年~
15. 松田初見 八寸 高野幸八・鈴木庸吉 明治34年~平成元年
16. 小松五平 三寸 高橋万五郎 明治24年~昭和47年
17. 小松五平 十五尺 高橋万五郎 明治24年~昭和47年
18. 小松五平 九寸 高橋万五郎 明治24年~昭和47年
19. 小松五平 五寸 高橋万五郎 明治24年~昭和47年
20. 伊藤松三郎 八寸 高橋万五郎 明治27年~昭和51年
21. 伊藤松三郎 八寸 高橋万五郎 明治27年~昭和51年
22. 佐藤末吉 尺二寸 伊藤松三郎 明治38年~昭和35年
23. 高橋武蔵 六寸 高橋亀三郎 明治21年~昭和44年
24. 高橋武蔵 尺二寸 高橋亀三郎 明治21年~昭和44年
25. 高橋武蔵 六寸 高橋亀三郎 明治21年~昭和44年
26. 高橋武男 五寸 高橋武蔵 大正5年~平成16年
27. 高橋直次 一尺 高橋武蔵 大正10年~昭和19年
28. 高橋直次 八寸 高橋武蔵 大正10年~昭和19年
29. 高橋直次 六寸 高橋武蔵 大正10年~昭和19年
30. 秋山忠市 八寸 秋山忠・高橋武蔵 大正2年~昭和59年
31. 秋山忠市 五寸 秋山忠・高橋武蔵 大正2年~昭和59年
32. 岡崎斉 八寸 岡崎仁三郎 明治30年~昭和57年
33. 後藤善松 尺一寸 岡崎斉 大正5年~昭和37年
34. 本間留五郎 八寸 岡崎斉 明治42年~昭和49年
35. 後藤希三 八寸 丹野勝次 明治41年~平成12年
36. 後藤希三 八寸 丹野勝次 明治41年~平成12年
37. 河村清太郎 一尺 河村辰治 明治35年~昭和45年
38. 北原鉄造 七尺 河村辰治 明治38年~昭和56年
39. 宮本永吉 二尺 宮本惣七 明治13年~昭和26年
40. 伊豆定雄 五寸 安藤齢太郎 明治38年~昭和13年
弥治郎系
41. 佐藤今三郎 八寸 佐藤幸太 明治22年~昭和34年
42. 佐藤辰雄 五寸 佐藤今三郎 昭和3年~
43. 佐藤慶治 一尺 佐藤幸太 明治23年~昭和35年
44. 佐藤慶治 八寸 佐藤幸太 明治23年~昭和35年
45. 佐藤春二 一尺 佐藤幸太・佐藤味蔵 明治36年~昭和57年
46. 小倉嘉三郎 五寸 小倉嘉吉 明治17年~昭和31年
47. 小倉嘉三郎 五寸 小倉嘉吉 明治17年~昭和31年
48. 小倉篤 十三尺 小倉嘉三郎 大正11年~昭和43年
49. 佐藤誠 八寸 小倉嘉三郎・佐藤今三郎 明治34年~昭和45年
50. 佐藤誠 六寸 小倉嘉三郎・佐藤今三郎 明治34年~昭和45年
51. 新山栄五郎 六寸 新山栄七 明治4年~昭和21年
52. 新山栄五郎 八寸 新山栄七 明治4年~昭和21年
53. 新山栄五郎 八寸 新山栄七 明治4年~昭和21年
54. 渡辺幸九郎 尺一寸 新山栄五郎 明治25年~昭和28年
55. 渡辺幸九郎 七寸 新山栄五郎 明治25年~昭和28年
56. 新山久治 八寸五分 新山久治郎 明治21年~昭和44年
57. 新山久治 五寸 新山久治郎 明治21年~昭和44年
58. 新山久志 一尺 新山久治 大正4年~昭和59年
59. 新山久志 八寸 新山久治 大正4年~昭和59年
60. 新山茂 八寸 新山久治 大正9年~昭和19年
61. 新山定雄 八寸 新山久治 明治41年~昭和56年
62. 新山福太郎 一尺 新山久治郎・新山久治 明治30年~昭和40年
63. 新山福太郎 六寸 新山久治郎・新山久治 明治30年~昭和40年
64. 新山福太郎 一尺 新山久治郎・新山久治 明治30年~昭和40年
65. 新山福雄 八寸 新山福太郎 大正11年~昭和62年
66. 新山左内 尺二寸 新山久治郎・新山久治 明治35年~昭和55年
67. 新山左京 六寸 新山左内 昭和9年~
68. 小関幸雄 一尺 新山福太郎 大正2年~平成16年
69. 佐藤雅雄 六寸 佐藤勘内 明治38年~昭和22年
70. 佐藤雅雄 六寸 佐藤勘内 明治38年~昭和22年
71. 佐藤直樹 六寸 佐藤雅雄 昭和3年~平成17年
72. 佐藤伝喜 六寸 佐藤伝内・佐藤伝 明治42年~昭和61年
73. 佐藤伝伍 六寸 佐藤伝・佐藤伝喜 明治45年~昭和20年
74. 渡辺求 六寸 佐藤栄治・佐藤伝内 明治31年~昭和43年
75. 蔦作蔵 六寸 佐藤勘内 明治25年~昭和32年
76. 鎌田文市 八寸 佐藤勘内・作田栄利 明治33年~昭和59年
77. 鎌田孝市 五寸 鎌田文市 大正14年~平成16年
78. 本田亀寿 一尺 本田鶴松 大正8年~平成2年
79. 佐藤喜一 七寸 佐藤栄治 明治27年~昭和51年
80. 佐藤喜一 八寸 佐藤栄治 明治27年~昭和51年
参考資料
No. 資料名 全高 地域 時代
81. 御所人形 40.5cm 京都 江戸時代末期
82. トカラ人形 18.9cm 鹿児島県鹿児島郡十島村中之島 昭和10年
83. プパール 13.3cm チェコ 戦前
84. プパール 19.3cm チェコ 戦前
85. 二人挽きろくろ 25.5cm 福島県いわき市 平成19年
86. こけし製作用具一式 22.5cm 福島県いわき市 平成17年