ブログ布留川のほとりから

交通文化資料マンデートーク―錦絵に見る交通の変遷

2024年09月12日 (木)

毎月2回(8月を除く)、月曜日に「マンデートーク」が開催されています。これは、学芸員が担当する資料について、日頃の研究成果を展示室で解説するものです。9月の第2回開催分では、交通文化室の乾学芸員が錦絵を題材に解説しました。

 

江戸時代、東海道は江戸と京都を結ぶ最も重要な街道として整備されました。その東海道で難所とされたのが箱根と大井川です。箱根の急な坂道は馬の力を借りてなんとか越えられますが、「越すに越せない」のが大井川です。大井川は水勢や防衛上の観点から、江戸時代にはついに架橋されませんでした。
川を渡るには、手引(てびき)、肩車(かたくま)、蓮台(れんだい)の3つの方法があり、順番に高額になります。着物が濡れるのがイヤならば蓮台を利用するしかありません。雨が続いて水位が一定の高さを超えれば、川留めになり、旅人は途方にくれました。その川越(かわごし)の様子を描いた錦絵が大井川の水流の強さを見事に示しています。

 

日本民俗室 幡鎌真理 

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