ワークショップ「わらの亀づくり」を開催しました
2024年02月16日 (金)
開催中の第94回企画展「くらしの道具-今昔モノがたり-」関連イベントとして、藁で亀をつくるワークショップを2月10日に開催しました。講師は、当館に学芸員として勤務していた佐々木久育氏です。現在は大和郡山市美濃庄町で精力的に米作りに取り組んでいて、今回の稲藁はすべて昨年秋に佐々木氏が収穫したものです。
藁を湿らせてから木で叩いて柔らかくしておくなど、事前の準備も万全です。亀の甲羅になる部分は藁を束ねて網代編みにして、それを三つ編みにした藁でぐるりと囲みます。締め方がゆるいと甲羅のフレームにすきまができ、きつく締めすぎると型がくずれてしまいます。普段から藁を扱い慣れていないと苦労しますが、参加者は可愛いかたちの亀に仕上げようといろいろ工夫していました。
最後に稲穂をお尻に差し込んで完成です。シンプルに長めの尻尾にする人、簔亀さながらにフサフサに垂れ下がるほど穂を追加する人など、それぞれ個性的な出来栄えでした。稲藁は燃やして灰にして田に撒くと天然の良質な肥料になります。豊かな実りをくれた後も、私たちにさまざまな恵みをもたらしてくれる稲のパワーを改めて実感しました。
【第94回企画展ブログ11】
日本民俗室 H