小学3年生が「むかしのくらし」を実感できる意義
2024年02月08日 (木)
小学校第3学年社会科では「昔の道具とくらし」という小単元があります。「昔の道具やそれらを使っていたころの暮らしの様子について調べ、人々の生活の様子が道具とともに移り変わってきたことや、人々の暮らしの中の知恵や工夫、願いについてとらえることができるようにする」のが、この単元の学習目標になっています。そのため、博物館を見学して実物を観察することを文部科学省は推奨しています。毎年この単元を学習する3学期には、多くの学校団体が参考館を見学に訪れてくれます。
今年はちょうどこの時期に合わせて第94回企画展「くらしの道具-今昔モノがたり-」を開催しています。1月31日には天理小学校3年3クラス72名が来館して、担当学芸員の解説を聞きました。食のコーナーで、“羽釜は「釜」と呼ばずに、どうして「羽」が付くのかな?”と学芸員が投げかけた問いに、全員「?」。“釜の胴のまわり全体に付いているのが「羽」です。これはかまどでご飯を炊くのに、穴に釜が落ち込まないためのストッパーだよ”と展示資料の羽釜と、古墳時代のかまどを示して説明します。“同じ米食文化の朝鮮半島でも釜でご飯を炊きます。このような「羽釜」を使いますが、朝鮮半島では4カ所しか爪が付いていません。ぐるりと周囲に付いているのは日本のものだね。同じお米を食べても世界の道具にはいろいろな違いがあって面白いね”と文化の多様性に触れるとみんな大きくうなずいてくれました。
実物をリアルに感じられるところが博物館の強みです。今回は昔の遊びを自由に楽しむコーナーも設置しています。
小学校、中学校、高等学校の学校単位の見学は、県内外を問わず、事前に申込みいただくと無料となります。日本だけでなく、世界の「本物の昔の道具」を実感するチャンスです!企画展開催中にぜひご来館ください。
【第94回企画展ブログ9】
日本民俗室 H