ブログ布留川のほとりから

スポット展示「五月人形」その2

2021年05月06日 (木)

五月人形飾りと病除けにつながるお話の続きです。

 

菖蒲、よもぎ、粽(ちまき)、柏餅

端午の節句、五月人形のイメージと言えば、新緑の季節とも重なって「緑」でしょうか。

現在2階民家ステージに飾っている五月人形飾りの毛氈も緑色です。

 

しかし、五月人形に緑色の毛氈(もうせん)が使われるようになったのは、ごく最近のことです。

では、何色だったのでしょう。

 

そう、雛祭りのときと同じ緋毛氈だったのです。

「男の子の節句なのに赤色?」

と思われるかもしれません。

 

古来、赤は魔除け、霊力を持つ色でした。

明治39年に山本松谷が描いた「子供あそび 床かざり」の五月飾りの毛氈は赤色で、人形の前では男子4人が柏餅を食べながら楽しげに人形を指さしています。

同じく明治18年楊洲周延の「江戸砂子年中行事 端午之図」でも、甲冑(かっちゅう)飾りの下に敷かれているのは緋毛氈です。

 

五月人形に限らず、日本の人形玩具のほとんどが、なんらかの俗信、縁起、説話、伝説に結びついています。

贈答する人形玩具に関係するものは、子どもの災難除けや病封じを願って、赤色が多用されたのもうなずけます。

510日まで2階民家ステージにおいて五月人形を展示しています。

 

五月人形飾り 大正14年(1925)

 

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日本民俗室 H 

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