ブログ布留川のほとりから

シルクロードの交易に活躍したラクダ

2016年08月08日 (月)

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シルクロードの動物と言えば真っ先に思いつくのはラクダでしょう。このラクダの背に絹や金銀など高価な品々を載せて交易がおこなわれました。ラクダの隊商(キャラバン)は、その数が時には数百にも及んだといいます。

中央アジアの砂漠の縁辺部に点在するオアシスからオアシスへと隊商は進んでいきました。それで、その道はオアシスの道と呼ばれました。港から港へと海路を進む船団のようです。ラクダが砂漠の船と呼ばれる所以です。中国からの主要な輸出品は絹でした。絹は当時大変高価であったので、時には貨幣の代わりに利用されたようです。こうして、絹はオアシスの道を通って西方へと運ばれていきました。シルクロード(絹の道)の名称は中国からの主な輸出品が絹であったので、ドイツの地理学者リヒトホーフェンが1877年に出版した著書の中でオアシスの道に対してこの名を付けたのがはじまりです。

今回の第77回企画展「天理サファリランド」ではラクダの隊商を一部復原的に展示してみました。ラクダの隊商にはしばしば人物俑(人形)が伴います。荷物を背負って歩く人、手綱をもってラクダを引く人、ラクダに乗る人などです。この人物俑を良く見るとその容貌はひげを生やし、顔の彫が深く、西方の人(胡人)であることがわかります。実はシルクロードの交易にはこの胡人の活躍があったのです。彼らは物だけではなく、様々な西方の文化も伝えました。

考古美術室 H 

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