特別記念講演会「漢・隋の俑(人形)―汗血馬ほか―」を開催しました
2016年02月10日 (水)
2月6日は、近江昌司当館顧問による特別記念講演会「漢・隋の俑(人形)―汗血馬ほか―」を開催いたしました。
顧問は「墓に埋葬された馬の俑について、その種類や付属する馬具、騎乗している人の姿、服装などを丁寧に観察すると、当時の人々の生活ぶりが伝わってくる。」と解説しました。
また、今回の特別展に出品している「加彩飾り馬」(中国・唐時代)には、本来は手綱を引く人物の俑も存在していたそうです。
馬はその手綱に対して、首を捻らせ、後ろ脚で踏ん張り、前片脚を上げ、抵抗する様子が表現されています。この躍動感はそこから来ていたのです。しかもこの馬は中国固有の馬ではなく、スタイルの良い外来のアラブ馬だそうです。中国では漢の時代に遠征軍を送り、このアラブ馬を入手しました。
このような動物や人物の俑は、特別展をはじめ常設展にも多数展示しています。
顧問の講演を受けて、私もそれらの造形に注目して改めて展示品と向き合ってみました。すると、それまであまり気に止まらなかったモノが生き生きと感じられ、これまでとは違った印象を受けました。実は、それらのモノははじめから見る人に語りかけていたのに、受け止めるこちら側が気づけていなかっただけなのかもしれません。
今後も開催される講演会やギャラリートーク(展示解説)に是非ご参加頂いて、展示しているモノに対する新たな発見をお楽しみ頂けたらと思います。
【天理参考館の珠玉ブログ12】
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