ブログ布留川のほとりから

東日本大震災復興支援展の展示替えをしました

2015年07月23日 (木)

古墳時代の土器

古墳時代の土器

常設展示室2階と3階で行っている東日本大震災復興支援展「みちのくの郷土玩具と出土品」のうち、3階の考古美術の展示替えをしました。

今回は「東北地方の骨角器」と「福島県の古墳文化」の2つのテーマを設けました。写真の土器はいずれも約1500年前の古墳時代の土器です。左手前が奈良県天理市布留遺跡から、奥の3点が福島県のおそらく海寄りの地域から出土したものです。よく似ていると思われませんか?この、遠隔地の土器なのによく似ているということが古墳時代の特徴なのです。

古墳時代は、権力者が亡くなると前方後円墳に葬った時代です。前方後円墳は奈良県桜井市の箸墓古墳が最も古く、そこから各地に広まっていったと考えられていますが、北海道と東北地方北部には至りませんでした。最北の前方後円墳は、写真のパネルに写っている岩手県の角塚古墳です。

前方後円墳を築いた地方には、墳丘や埋葬施設の築き方から副葬品の種類と並べ方なども広まりました。それとともに土器も、地域を越えてよく似た形になったのでした。写真の4点の土器は、福島県にはその影響が及んだことを物語っています。

いよいよ夏休みです。奈良の夏は湿気が高くて嫌な感じなのですが、やっぱり夏休みは心躍るものです。各地からたくさんの方にお越し頂けるように願っております。

考古美術室 F 

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