ブログ布留川のほとりから

金杯

2015年05月21日 (木)

金杯

金杯

正確な出土遺跡は不明ですが、ギリシアから出土したミケーネ時代の金杯(前1550-1500年頃)です。豪華な文化の一端を今に伝えています。把手は1つで2本の鋲で固定されています。よく見ると底部が欠損していることが分かります。平底にしては狭く、さらに脚部が付いていたと考えられます。

1876年にミケーネ遺跡をシュリーマンが発掘して、城壁内にあった円形墓域Aから黄金マスクなど大量の金製品が出土しました。ホメロスが『イリアス』で「黄金満つる」と形容したミケーネが現れた瞬間です。金杯だけでも20点近く出土しました。トロイに攻め込んだギリシア軍の総大将アガメムノンの墓と、シュリーマンが思ったのも頷けますね。

ちなみにミケーネ時代の金杯は日本では当館にしかありません。プチ自慢でした。

【シュリーマン展ブログ14】

考古美術室 T 

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