ブログ布留川のほとりから

今年の正倉院展には

2018年11月05日 (月)

米田雄介先生によります記念講演会「正倉院宝物に見られるササン朝文化」には、たくさんの方に来ていただき誠にありがとうございました。実際その目で観察された方でしか分からないことをご教示いただき、とても有意義な時間となりました。

 

今年の正倉院展にもササン朝ペルシアに関連する宝物が出品されています。雑葛形裁文(ざつかずらがたのさいもん)がそうです。そこにオシドリ形の含綬鳥(がんじゅちょう)があります。

咋鳥文

鳥が何かをくわえている文様を咋鳥文(さくちょうもん)と言います。咋鳥文には綬帯(じゅたい)をかんだ含綬鳥、花枝をかんだ花喰鳥(はなくいどり)があります。いずれもササン朝で盛んに用いられ、その影響で唐でも流行った図柄です。
本館展覧会「華麗なるササン王朝」に展示しています鍍金裸体婦人文銀八曲長杯(ときんらたいふじんもんぎんはっきょくちょうはい)には花喰鳥が描かれています。

 

また緋絁鳥兜(ひのあしぎぬのとりかぶと)に下貼りされていた反古紙(ほごし)には墨書・墨画が認められます。そこにはペルシア系商人である特徴的な帽子を被ったソグド人が墨画されています。

白胎加彩胡人

本館展覧会にはその立体像と言えますソグド人を表現した白胎加彩胡人(はくたいかさいこじん)を出品しています。
ぜひ当館にも足を運んで頂ければ幸いです。

 

【第83回企画展ブログ4】

考古美術室 T 

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