ブログ布留川のほとりから

特別展二期、芭蕉「ひとつぬきて」も11月6日(月)まで

2017年11月02日 (木)

ただ今開催中の特別展「天理図書館 古典の至宝―新善本叢書刊行記念―」。連日たくさんご来場くださいまして、誠にありがとうございます。二期は、11月6日(月)で終わり、11月8日(水)からは三期が始まります。

 

さて、特別展一期では松尾芭蕉「奥の細道行脚之図」を展示いたしました。「教科書に載っていた」「鳥肌が立った。本物はすごい」「芭蕉生前の作品とは知らなかった」「また見たい!」などの声を聞かせていただきました。
二期でも、芭蕉の自筆や芭蕉の画など7点を展示しておりまして、その中でも色彩ある芭蕉の画「ひとつぬきて」発句短冊が目を引きます。吉野を行脚する芭蕉の旅姿の画に、芭蕉自筆「ひとつぬぎてうしろにおひぬころもがへ」の短冊が貼られています。「ひとつぬきて」の句をそのまま表した芭蕉の旅姿の画に感心させられます。
「一枚着物を脱いで背中に負う。旅の途中だけれども歩きながら衣替えができましたよ」というのが、私の解釈でございます。
初めてこの画を見たときは、芭蕉が青色の風呂敷を背負っているのかと思いました。しかし、風呂敷にしては鮮やかな青色です。この句を読むことで、芭蕉が着物を脱いで背負ったということが解ります。画をよく見ると芭蕉の足下には杖と笠が置かれています。つまり芭蕉は、旅の途中で杖と笠を地面に置いて着物を脱ぎ、背中にかけて着物の端を胸元でくくった!脱いだ着物だということが分かるよう目立つ青色で描いたのでは?!そう言えば、「奥の細道行脚之図」の芭蕉は杖と笠しか持っていないぞ!というのが私の推理です。
私の推理が一段落した頃、ある医師の方が特別展でこの画をご見学され、「芭蕉はよく歩くから、足の筋肉がしっかり太く描かれていますね」とおっしゃいました。なるほど、目のつけどころが違います。
このように勝手な解釈ばかりしておりますが、特別展全ての展示75点を紹介する図録「天理図書館 古典の至宝」にて概説しております。どうぞご一読ください。

総務部 N 

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