大学教授の講義を参考館で
2016年06月16日 (木)
天理大学桑原教授の講演会「イスラエルの考古学―過去と現在―」が近づいてきました。
失われ消えていった文明や文化を、残された痕跡から復元していく考古学という学問は魅力的です。黎明期の考古学は宝探しでした。人よりも早く良い物を見つけるために、層位も気にせずひたすら穴を掘り下げて行ったのでした。今から思いますと、遺跡破壊と変わらないびっくりするようなやり方です。
現在に通じる科学的な考古学が誕生したのがイスラエルでした。古いものの上に新しいものが積み重なり、層位となっていろんな年代が重なって残っているのが遺跡です。まるで本を1頁ずつめくるかのように、丁寧に掘り下げて行く考古学の基本的な手法が確立されました。
イスラエルに世界が注目し、いろんな国の調査隊が発掘してきたのは、そこが聖書の地であるからです。それ故にドグマに束縛されていた長い過去があります。イスラエル考古学は何を生み出し、何を失ったのでしょうか。
桑原教授は長年イスラエルで発掘調査にたずさわり、昨年はイギリスで研究に励んでおられました。今回はこうして得られた生きた学問をご教授いただきます。大学でしか聴けない講義をこの機会に是非ご聴講ください。
考古美術室 YT