3階の常設展示室日本考古コーナーの「東日本大震災復興支援展」の展示替えをしました。
2014年01月27日 (月)
この展示は、2011年7月から2階と3階の常設展示の一部を使って行っているもので、当館が所蔵する東北地方ゆかりの品々を紹介することで、この地方に対する理解を深め、心を寄せて頂くことを願うものです。
3階の考古美術展示室 日本コーナーで展示しているのは、岩手県と福島県から出土した、主に縄文時代の遺物です。岩手県の大船渡市と陸前高田市、福島県の双葉町や浪江町、大熊町、飯舘村などの、報道でよく耳にする地名が並びます。展示資料の大半は、浪江町在住であった故桧野照武氏が昭和初期に遺跡を巡って拾い集めた品々であり、当館には昭和30年代に収蔵されました。
今回展示したのは、いずれも東北地方の縄文時代晩期を代表する貝塚である、岩手県大船渡市下船渡貝塚出土の石器や土偶、鹿の骨で作った漁具などと、福島県いわき市寺脇貝塚出土の土器や石器、鹿角で作った漁具や工具類です。特に寺脇貝塚の出土品では、鹿角製の斧や鯨の骨を刀の形に加工した祭りの道具など、国内でもいわき地方にしか見られない道具を展示しました。
割れてしまっている石器や傷がついた鹿角製品は、美しいものではありませんが、縄文人が工夫をかさねていろいろな道具を生みだし、暮らしていた証と言えます。この展示を通して、何千年にもわたって積み重ねられてきた東北地方の歴史の一端を知って頂ければ幸いです。
考古美術室 F