「いのりのかたち」展の見どころ紹介(2)
2015年07月06日 (月)
今回は「いのりのかたち」展で初公開となる資料について紹介していこうと思います。
本展では全体で129点の資料を展示していますが、そのうち初公開のものは実に8割以上に及びます。これまでお披露目する機会がなかった収蔵品を、こうして公開する機会が作れたことは、企画展担当者としても嬉しいことです。
それでは具体的に資料を見ていきましょう。まず、キリスト教の重要な人物や場面を描いた聖像画、「イコン」を紹介します。イコンは主に「正教会」と呼ばれるキリスト教の教派で用いられる祈りの道具です。信徒はイコンを通して、そこに描かれているモチーフに祈りを捧げます。本展ではギリシャ、ロシア、東欧諸国のイコンを16点展示しています。
次に、エチオピアのキリスト教に関連する資料を挙げたいと思います。エチオピアにキリスト教が伝えられたのは早くも4世紀といわれ、現代に至るまで独自の信仰スタイルを育んできました。当地のイコンを見ると、キリスト教が長い年月の間にエチオピアの風土に土着化していった様子がよく分かります。当ウェブサイトの「参考館セレクション」のコーナーで、今月の逸品としてエチオピアのイコンを詳しく紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。なお、本展で出品しているエチオピアの資料は37点で、全て初公開となります。
他にも紹介したい資料はたくさんありますが、全貌は当館にてご自身の目でお確かめください。思いがけない発見があるかも知れません。
次回は本展で上映中の映像資料と今後予定されている関連イベントについて紹介します。
【第74回企画展ブログ2】
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