ブログ布留川のほとりから

6/6出前授業in天理市立丹波市小学校

2019年06月07日 (金)

「どうぞよろしくお願いします!」
こちらは天理市立丹波市小学校。
6年生代表からのしっかりとした挨拶を受け、当館学芸員による出前授業が始まりました。

 

この出前授業は、平成31年度 文化庁 地域の博物館を中核としたクラスター形成事業「天理・ヤマトの歴史文化をめぐる」プロジェクトとして、「天理の歴史に触れてみよう」をテーマに、天理市域の古代史学習とともに本物の遺物に触れてもらうことを目的としています。

 

「何を教えてもらえるのだろう」という児童の期待感が伝わったのか、やや緊張した面持ちで学芸員が縄文時代の話を始めました。市内小学校へ配置している教本『天理の古墳文化を学ぶ』(平成28年度文化庁地域の核となる美術館・歴史博物館支援事業/編集:天理大学附属天理参考館・天理市教育委員会)を用いながら、天理の古墳や出土品についての説明をしました。

 

その後、天理の布留遺跡から出土した土器や、レプリカの銅鐸・三角縁神獣鏡・海獣蒲萄鏡に触れてもらいました。 銅鐸は弥生時代のまつりに使われ、米の豊作を祈っていました。最初は、内部につるされた舌(ぜつ)とよばれる棒を振って、カーンカーンと鐘の音を出してお祈りしていました。やがて銅鐸は大型化していき、高さ130㎝ぐらいのものも現れるようになりました。さすがに大きすぎて音を鳴らすことができなくなりましたが、まつりの場に置いて祈りました。詳しくは次回企画展「祈りの考古学―土偶・銅鐸・古墳時代のまつり―」で紹介いたしますので、ぜひお越しください。

 

さて、子どもたちは恐る恐る銅鐸を鳴らしたり、まじまじと銅鐸の形や鏡の文様を観察したりしていました。
「銅鐸に描かれている線はどうやってつけたのですか?」「家の庭から土器が出てきたらどうしたらいいですか?」「土器はなぜ、置かれた状態ではなく地面から出てくるのですか?」「この土器は何を入れていたのですか?」「海獣蒲萄鏡にチョウチョウがいる?」「変わった形の古墳ってありますか?」・・・。子どもたちの不思議発見はつきることがありません。たくさんの質問をいただいたおかげで、緊張が解けた学芸員はいつもの調子に戻り、一つひとつ丁寧に質問にお答えしていました。

 

天理市立丹波市小学校6年生の皆さん、このような楽しい時間を共有できてうれしかったです。次回は参考館でお目にかかれるのを楽しみにしています。

 

総務部 N 

ページの先頭へ