天理参考館報 第38号
天理参考館報 第38号(目次~論文)(ファイル名:sankokanpo38-1.pdf/ファイルサイズ:4.48MB)
天理参考館報 第38号(事業概要)(ファイル名:sankokanpo38-2.pdf/ファイルサイズ:2.08MB)
I 論文・研究ノート
天理参考館所蔵古代エジプト供養碑の研究―銘文の解釈を通して―……間舎 裕生
本稿では、天理参考館が所蔵する古代エジプト供養碑の歴史的位置づけについて検討した。まず既往研究に基づいて銘文の解釈を試み、さらにそこに用いられている表現等から当該資料の製作時期を推定した。次に、被葬者の持つ称号である「宰相」と「ネケンの口」について検討した。その結果、被葬者は、下エジプトに拠点を持ちつつも上エジプトとも関係の深い、第18王朝後半の高位の人物であったと考えられる。
中国大陸の古代熨斗(四)─簡略化から新型式成立へ、東晋~南朝時期─……江 介也
中国大陸の熨斗研究の一環として、東晋~南朝時期の熨斗について考察した論考。東晋の熨斗型式は、多様性を留めていた西晋からうってかわり、概ねA類(柄頭無飾)は飾り気のないAⅤb類に集約されていき、B類(柄頭龍頭)は急速に衰退したとみられる。その後の南朝の新型式熨斗は、多弦紋口縁、貼付け平板状接続部、大型熨斗の存在、全長に対し長い柄、などを特徴とする。また多弦紋口縁における分離型から密集型への変化など、属性の変遷についても検討を加えた。
天理市城法裏古墳の発掘調査……藤原 郁代
1964年に当館が発掘調査を行った天理市櫟本町「城法裏古墳」の調査報告を目的とした。発掘調査時の地形測量図および写真から古墳の位置を推定し、これまでの遺跡地図における記載の有無を検討したが、記載されている古墳が城法裏古墳に該当するのかどうか判然としなかった。また東側に存在する後期群集墳である東大寺山古墳群と合わせ考えると石室は大型であり、馬具と須恵器台付長頸壺が出土した可能性があることから、被葬者は比較的上位の人と推定した。
伝ペルー・ボリビア出土館蔵金属製品の基礎的調査―類例調査と蛍光X線分析―……荒田 恵・青木 智史
当館はペルーおよびボリビアから出土したとされる金属製品43点を所蔵しているが、これまで十分な調査が行われなかった。そこで、それらの資料価値を正しく評価するために、先行研究を踏まえて類例調査と蛍光X線分析による基礎的調査を実施した。本稿では、これら基礎的調査成果を提示するとともに考察を行い、上述の館蔵資料の大半が、インカ帝国期にティティカカ湖沿岸およびボリビア周辺で製作された可能性が高いことを指摘した。
II 事業概要
1 展観
(1)企画展・巡回展 (2)天理ギャラリー展 (3)その他の展覧会
2 調査研究
(1)海外民族室 (2)日本民俗室 (3)交通文化室 (4)考古美術室
3 資料収集・保存
(1)収蔵資料概要 (2)新収蔵資料
4 普及活動
(1)入館者数 (2)トーク・サンコーカン(公開講演会) (3)ワークショップ、他 (4)マンデートーク (5)ミュージアムコンサート「参考館メロディユー」 (6)その他のイベント 天理教こどもおぢばがえり