連続講座「世界遺産を巡る古代アンデス史入門」(全3回)
“アンデス”という言葉が指す地域は学問分野によって異なりますが、考古学においては現在のペルー共和国とボリビア多民族国の一部を含む文化領域として定義されています。古代アンデスというとインカ帝国をイメージされるかもしれませんが、それ以前にも様々な古代文化が栄えました。本講座は、それら古代文化が残したナスカの地上絵やマチュ・ピチュなどの世界遺産を紹介しながら、アメリカ大陸に人類が到達してからインカ帝国が滅亡するまでの歴史を、わかりやすくお話しする入門編です。
2023年10月6日(金)
世界遺産を巡るⅠ「アメリカ大陸への人類到達から神殿社会の終焉まで」
世界遺産:聖地カラル・スーペ、チャビン(古代遺跡)、チャンキーヨの天文考古学遺産群
人類がアメリカ大陸へ到達した後、アンデスでは、紀元前3000年頃に神殿を中心に社会が統合されます。そのような社会が終焉を迎える紀元前後までの時期を、形成期と呼びます。本講座では、人類到達後1万年以上の歴史を概観しながら、形成期を代表する世界遺産を紹介します。
2023年10月13日(金)
世界遺産を巡るⅡ「古代アンデスの国家社会」
世界遺産:ナスカとパルパの地上絵、ティワナク(ティワナク文化の宗教的・政治的中心地)
紀元後になると、宗教に加えて政治や軍事力で広い地域を統合する社会が出現します。世界遺産で有名なナスカやティワナクなど地域色豊かな社会が展開し、モチェやワリなどの国家社会が誕生します。地方発展期と呼ばれるこの時期におこった社会の展開についてお話しします。
2023年10月20日(金)
世界遺産を巡るⅢ「王国の拡大とインカ帝国」
世界遺産:チャン・チャン遺跡地帯、リオ・アビセオ国立公園、クスコ市街、マチュ・ピチュの歴史保護区、カパック・ニャン アンデスの道
9世紀になると地方に王国が興って拡大し、15世紀にはインカ帝国が南米6か国にまたがる広大な範囲をその影響下に置きます。地方王国期とインカ帝国期と呼ばれるこれらの時代の世界遺産を紹介しながら、王国の実像に迫ります。
【共通事項】
時間:午後1時30分から3時(開場 午後1時)
講師:荒田 恵(当館学芸員)
会場:研修室
定員:各回100名(当日先着順)
※要入館券