亡くなった人を弔う葬式や遺骸の風葬・土葬・火葬などには地方色豊かな様々な習わしがあります。沖縄の伝統的な葬法のひとつに火葬をともなわない洗骨があります。故人の遺骸は先ず墓所に納め、骨になるのを待ちます。3~7年後墓所より出し、白骨化した遺骸を血縁の女性が洗い清め、この資料のような厨子甕(骨壺)に全部の骨を納めます。納骨の日付などは厨子甕の内側などに墨書されます。夫婦であれば、同じひとつの厨子甕に納めます。こうして遺骨は厨子甕に納められ墓室内に入ります。これが洗骨です。洗骨を経て亡き人は次第に個性を失い成仏して先祖霊となっていくと考えられています。厨子甕には色々な形がありますが、これは明治以降一般に普及し、戦前までよく使われたタイプです。