指遣い人形劇は、明時代(1368~1644)中期に福建省のチュィァンチォウ(泉州)、チァンチォウ地方で演じられていたのですが、のち台湾に伝わり独自な風格をそなえた人形劇となって今日に伝えられています。人形劇は通常6~10名で演じられ、その内の2名が舞台の下から人形を操り、4名の楽師が舞台裏で楽器を奏でながら科白を語ります。舞台は廟宇の礼拝所あるいは宮殿を模しています。人形は頭部を除いた部分の形が布袋に似ているところから、「布袋戯」の名がついたともいわれています。交通の不便な昔、一座はこの舞台を牛車に載せて運び、牛車がそのまま舞台となって人形劇が演じられていました。布袋劇の多くは、寺廟の祭礼日に「願いごと」の成就御礼に演じられたり、民間のスポンサーを得て演じられてきました。