1929年、ブラジル移住者に交付されたもの。ブラジルでは1888年に奴隷制度が廃止され、不足した労働力の補いをヨーロッパ各地(ドイツ、イタリア、ポルトガル等)からの移民に求めました。労働者の多くはコーヒー栽培に従事していましたが、価格の暴落による賃金不支払いなどのトラブルからヨーロッパ移民が跡絶え、その代替労働者として日本人によるブラジル移住が企てられました。経済不況と人口増加に喘いでいた日本人はブラジルに活路を見い出すべく大勢の人が移住していきました。その中には日本の宗教を伝えようとした伝道者もありました。掲出の被交付者・大竹忠治郎氏も天理教を布教伝道した一人で、ブラジル伝道の祖といわれるほどの足跡を遺しました。