寺廟(道観)の大門に据えられていたと伝えられるもので、明清時代の文官の姿を象った神像が描かれています。
中国では、古くから悪鬼や悪霊、亡霊は人に災いを与え、病気や不慮の死・災難・不幸など生活に支障をもたらすと畏れられてきました。そのため多くの神々の存在を想定しては庇護を求め、災いから免れる工夫をいろいろ凝らしてきました。悪霊の侵入を防ぎ幸福に暮らしたいとの思いから、家屋や道観の入口に“門神”といわれる神像の姿を描いた板や紙を取り付けたのもその一つです。門神は古くは武将像でありましたが、時代が下がるにつれ避邪より招福の意が強くなり、文人像も登場するようになりました。