天理参考館
TENRI SANKOKAN MUSEUM

参考館セレクション

世界の生活文化金属製の祈願奉納物(きんぞくせいのきがんほうのうぶつ)

金属製の祈願奉納物

金属製の祈願奉納物

ブラジル 20世紀後半 最長9.0cm 金属
資料番号:89-1577、89-1578、89-1579、89-1580、89-1581

展示中 1-0

ブラジルにあるカトリックの一部の教会で、神社の絵馬のようなものを見かけることがあります。祈願奉納物と総称されるそれらのものは、信徒が教会で病気や怪我からの回復を祈り、願いが成就した後に感謝の意味を込めて教会に奉納されます。つまり、願掛けの段階で奉納される絵馬とは順番が逆になっています。
祈願奉納物のユニークなところは、奉納者がかつて病んでいた体の部分を金属板のレリーフや立体的な造形物に表すところです。これらの金属製の祈願奉納物も目、脚、心臓、肺、胃といったパーツが浮き彫りになっています。
教会によっては奉納物を一堂に集め、天井から吊り下げる部屋が設けられていることもあります。臓器や手足をリアルに表現した奉納物が集合する姿は一見グロテスクですが、それだけ祈りによって救われた人々がいることの証しにもなっています。