貝紫染めの糸を織り込んだ豪華なスカートです。貝紫染めは磯で貝を採り、色素となる貝の体液を糸束に吐きださせ、太陽光線で発色させています。荒磯での危険を伴う作業です。貝の吐き出す体液が極めて少量のため多量の貝の捕獲を必要とします。紫の色素を持つ貝は数種類が知られていますが、メキシコの貝は和名ではアクキ貝科のヒメサラレイシと呼ばれています。古くは世界のあちこちで染められていたようですが、現在ではメキシコ、オアハカ州においてのみ見られる貴重な染めで、その色調は気高く優雅に染め上がっています。
スカートは赤・藍・貝紫による縞文様で、縞の中には動物文様が「紋織」技法によって織り出されています。