天理参考館
TENRI SANKOKAN MUSEUM

参考館セレクション

世界の生活文化結納用の木雁(ゆいのうようのもくがん)

韓国 19世紀頃
長31.0cm(奥) 木製
資料番号:82-233(奥)、79-425

展示中 1-0

仲の良い夫婦を「おしどり夫婦」と形容することがあります。これはオシドリの雄と雌が常に寄り添っているように見えることに加えて、「鴛鴦(えんおう)の契(ちぎ)り」という中国の故事もその由来とされています。六朝時代(3世紀~6世紀頃)に記された『捜神記(そうじんき)』に次のような話が収録されています。宋という国の王が美しい既婚女性を権力で奪い取り、夫はほどなく自ら命を絶ってしまいました。嘆き悲しんだ妻は夫と一緒に葬(ほうむ)って欲しいという遺書を残して、夫の後を追いました。その後、王はその願いを受け入れず、二人の墓は少し離れた場所に建てられたのですが、双方の墓から木が生えてきて、一晩のうちに枝が絡み合うほどに成長し、そこにつがいの鴛鴦(オシドリ)がやってきて巣をつくったといいます。
このような話が元となり、仲睦まじい夫婦生活を願う上で、鳥を模した木彫り一対を結婚の際に贈る風習が生まれたものと考えられています。韓国ではオシドリと同じ習性を持つ雁がモチーフとなっていて、男性側から女性側に贈られる結納品として用いられました。素朴な造形で派手さはありませんが、婚礼の場に相応しい愛らしさを備えています。

参照ページ