天理参考館
TENRI SANKOKAN MUSEUM

参考館セレクション

世界の生活文化日本一薬館喜香堂看板(にほんいちやくかんきこうどうかんばん)

l_jpn_ochinikanban

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地域:日本 明治時代後期以降(推定)
高164.5cm 板材着色
資料番号:69.2036

展示中 2-12

商売において、店や商品の名前を広く世間に伝える広告活動とその道具である看板サインやちらしなどが重要であることは今も昔も変わりはありません。今日見られるような板状の看板は江戸時代に入って盛んに作られるようになり、店の格式と信用を示す存在にもなっていきます。文字と屋印だけの重厚なもの、取り扱う商品をそのまま形どったものなど、実にバラエティーに富み、その時代の世情風俗の一端を伝えてくれます。老舗(しにせ)では今も現役で活躍している看板は多いことでしょう。この看板は明治30年代日露戦争前後に当時の世相を反映してのことでしょうか、軍人風の衣装を着て、町中を「オチニ・オチニ」と声を出して薬を売り歩く一薬館の風体をそのまま看板にしたものと思われます。