天理参考館
TENRI SANKOKAN MUSEUM

参考館セレクション

世界の生活文化居酒屋の商店看板“酒飯舗幌子”(いざかやのしょうてんかんばん“チューファンプホァンズ” )

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地域:中国 北京 1930年代 縫製布 木彫
長70.0cm
資料番号:01042

展示中 1-3

「幌子」とは商店の看板のことですが、商う商品を文字にたよらず、商品そのものを象った模型や画、また商品を暗示するような作りものを店頭に掲げて看板としたものをさしています。かつての北京では多種多様な幌子が商店街の軒先に掲げられ、情緒に満ちた街並みをかもしだしていました。
酒屋の看板であるこの幌子は藍染めの綿布の表裏に「天子呼来不上船」、「自稱臣是酒中仙」の詩句が記されています。唐代の代表的詩人・杜甫の「飲中八仙歌」からの引用で、李白について詠んだ一節です。酒豪家で知られる李白の名をもって酒を文学的に象徴させた看板といえるでしょう。酒屋の看板は古くは藍で染めた長い布そのものを、高いところから吊り下げて目印としていたといわれ、その名残が感じられます。