ウィピールは前身頃・後身頃とも多くの色糸を織り込んで、人物・鳥・馬・植物などの文様が華やかに表現されています。文様はあたかも刺繍のようにみえますが、織りながら文様を表わす「縫取織」技法による織物です。地色の白い緯糸に、文様のための色糸を添えて表現されています。多くの色糸を1本1本手作業で操る、大変手のこんだ織物です。グアテマラやメキシコ各地では、今もこのように手の込んだ美しい織物が「原始機」によって織られ、日常着として用いられているのです。
「原始機」では幅の広い織物を織るのは織りづらいため、ウィピールは同じ大きさに織られた布を2枚・3枚を縫い繋いで仕立てられています。本例は2枚構成になっています。