台湾の南部山地のパイワン社会では、自分たちで着る服は、ごく簡単な機織り道具を用いて手作りしていました。そのため女性は幼いときから織物や刺繍を学び、母から娘へと、すばらしい織物の技術が伝えられていました。
これは女性が喪服として身につける肩掛けです。赤、紺、オレンジなど、色とりどりの糸が使用されていますが、パイワンには染織技術は無かったため、中国系住民より手に入れた毛織物などをわざわざほどいて、色糸を作っていたようです。残念ながらこのような織物技術は、現在のパイワンではほとんど見ることができなくなってしまいました。