この乗車券は、日本の鉄道創業当初のものです。日本の鉄道の歴史は明治5年5月7日に品川・横浜間が仮開業したことに始まります。同年9月12日(新暦10月14日)には、新橋・横浜間が開通し、日本最初の鉄道開業式が挙行されました。鉄道の建設・資金はもとより、資材や運営に至るまで、ほとんどがイギリスなどの援助・指導を受けていたため、乗車券の用紙、活字、印刷機なども輸入品が使用されました。この乗車券もイギリスのトーマス・エドモンソンが考案した様式が採用されており、その様式は今日でも広く使用されています。
この片道乗車券は、開業から明治9年11月30日までの期間に発行され、1等は白色、2等は藍色(あいいろ)、3等は淡赤色(または資材の関係で白色)に着色されていました。