ロッキー山脈からミシシッピ川に至る平原地方の先住民族であるダコタの男性がこの冠を被るには、まず、自分が一人前の戦士であることを立証しなければなりませんでした。そのためには数多い戦闘で戦績を上げ、栄誉を得ていることが必要とされました。いわば、部族内のリーダーしかこれを被ることができなかったのです。
鷲の羽根は権力の象徴であり、両サイドに垂れ下がった貂(てん)の尻尾には、貂のような敏捷性をもった戦士になるようにとの願いが込められています。後方にあるのは北アメリカの南西地方に居住するナバホ系住民の代表的なブランケットです。