天理参考館
TENRI SANKOKAN MUSEUM

参考館セレクション

世界の生活文化コーヒーポット(コーヒーポット)

coffeepot

coffeepot

エチオピア 1980年代
高24.3cm やきもの
資料番号:85-30

展示中 1-0

エチオピアはコーヒー発祥の地であると言われ、多くの人が日常的にコーヒーを愛飲しています。街中ではカフェが賑わいを見せますが、一部のレストランや家庭では伝統的な「コーヒーセレモニー」が今でも行われています。
コーヒーセレモニーは女性の仕事とされており、主に来客があったときに行われ、生豆を洗って炒る作業から始まります。炒った豆は粉状にして、水と一緒に本資料のようなコーヒーポットに入れて火にかけます。そして盃くらいの大きさのカップに注ぎ、ゲストへ振る舞います。ゲストは3杯おかわりするのが礼儀とされています。コーヒーセレモニーの全ての作業はゲストの目の前、部屋の一画で行われます。味を楽しむのはもちろんのことですが、香りや会話を楽しむことも重要な要素とされているため、炒った豆の香りを確認してもらうという場面もあります。また、コーヒーができあがるまでのお茶菓子としてポップコーンやパンが提供されます。こうした「おもてなし」の心は日本の茶道と通じるところがあると言えるでしょう。
コーヒーポットは素焼きのものが使われ、底は丸くなっています。そのため自立せず、ドーナッツ状の敷物や台を用いることで安定させます。