天理参考館
TENRI SANKOKAN MUSEUM

参考館セレクション

世界の考古美術大刀形埴輪(たちがたはにわ)

出土地不詳 古墳時代後期
高さ42.4cm
資料番号:日977

展示中 1-0

写真は大刀をかたどった埴輪の把(つか)の部分を写したものです。その側面に付された帯は、把を握った際に手の甲を保護するためのもので、サーベルの把の部分を連想させます。その形状から古くは消火器形埴輪とも称されました。
定形化した大刀形埴輪が見られるようになるのは、5世紀後半以降のことですが、いずれも鞘(さや)に刀をおさめた様子を表現しています。
把の帯には三連の粘土粒が、横方向に貼り付けられています。これは三輪玉(みわだま)と呼ばれる装飾品を表現したもので、実際には金銅製のものや、水晶製のものなどがあります。こうした玉で飾られた大刀は実用の品というよりも、これを所持する人の権威を象徴するものであったと考えられます。
古墳に立てられた大刀形埴輪は、そこに葬られた人の権威を誇示していたのでしょう。