HOME > 世界の考古美術 > 獣頭形角杯
先端部をガゼル羚羊(れいよう)の頭部にかたどっている角杯で、リュトンに似ていますが流出孔はありません。鋳造によるもので、頭部が極端に重いです。この角杯の最も特徴的な個所は角部です。青銅の細い針金をコイル状に左回りに巻き上げて角を表現しているのです。 アッシリアのレリーフに、4人の人物が向かい合って乾杯する様子が描かれたものがあります。手にしているのは先端部を獅子頭部にかたどった角杯です。本例も同様に、なんらかの宴会に用いられた飲用器でしょう。