グデアは、シュメールの都市国家の1つ、ラガシュのエンシ(司祭的性格を持った実質的支配者)の地位にいた、実在の人物です。彼は文化面にも力を入れ、優れた彫刻や建築を残しています。それらの中でも特に目を引くのが、グデア自身を彫刻した像です。敬虔な信者であることの証として自らの像を神に奉納したのです。 グデア像は、ルーブル美術館やメトロポリタン美術館が所蔵しているものをはじめ、世界で30点余り知られています。本例もその1つで、頭部のみが残っています。鼻は欠けていますが、真正面を見据えた目は彼の自信と自負をよく表しており、彼の偉業が伝わる作例です。