初期の段階では王のみが死後、冥界の王オシリスになると信じられていましたが、時代が下るとともに次第に、他界に関して平等思想が芽生え初め、このような棺を準備できる資力のある者であれば、誰でもオシリス神になれると考えられるようになりました。
棺に施された装飾はすべて死者に、来世の安寧と復活を約束する呪術的な意味を持っています。肩部から胸部にかけては胸飾り、中央部には聖眼ウジャトと翼を広げた天空の女神ヌートが、そして脚部あたりには包帯を再現した横縞の枠に、死者の冥福を念じた「死者の書」の抜粋が描かれています。