【重要美術品】
本例の出土地、滋賀県の大岩山からは、明治14年に14個、昭和37年に10個、計24個の銅鐸が出土しており、本品はそのうちの1個です。ほかの銅鐸は、野洲町立歴史民俗資料館・東京国立博物館などに所蔵されています。1遺跡から24個という出土数は、島根県加茂町の加茂岩倉遺跡から出土した39個に次ぐものです。周縁(鰭)に左右3個ずつのこる飾り耳は、元は上の半円形の部分(鈕)にも3個あったのですが、今は失われています。両面とも片側の鰭にそって砂の付着が少ないので、一回り大きな銅鐸の中に入れられて、横向きに埋納されていたと考えられます。「袈裟襷文」とは、文様が僧侶の袈裟に似ているところから付けられた名称で、縦線と横線からなる、銅鐸の代表的な文様です。