天理参考館
TENRI SANKOKAN MUSEUM

参考館セレクション

世界の考古美術絵画土器(かいがどき)

a_jpn_kaigadoki

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奈良県磯城郡田原本町唐古・鍵遺跡出土
弥生時代中・後期 前1~後1世紀頃 左幅15.2cm 土器
資料番号:日286・287・289

展示中 3-14

絵画土器は近畿地方を中心に約300点が出土していますが、土器の総量からすると決して多い数ではなく、むしろ特別な選ばれた土器と考えられます。描かれる題材は非常に偏っており、約4割は角を生やした雄鹿、次に多いのが両手を広げる人です。そのほかに多いのは高床式の建物で、そこに人が入ってゆく絵もあります。角を生やした鹿は秋の収穫シーズンを想像させるもの、人は両手を広げて鳥の真似をするシャーマン、高床式の建物は穀物貯蔵庫と考えられ、総て稲の豊作を願うものと解釈されています。絵画土器は秋祭りの時に使われた、お祭り用の特別な器だったのでしょう。本例は鹿と人の典型例で、楼閣を描いた土器が出土したことでも有名な、奈良県の唐古・鍵遺跡からの出土品です。