把頭(つかがしら)が拳(こぶし)状にふくれたものを頭椎大刀(かぶつちのたち)といいいます。この名称は記紀に由来しています。
写真は金銅装の大刀で、把頭の側面は倒卵形をしていて、数条の畦(あぜ)状の凹凸がめぐっています。その中央には懸通孔(かけとおしあな)とよばれる孔が貫通しています。
把間(つかあい)は把木に金銅板を被せて、3個の連続する菱形を列点文で表しています。この菱形の四隅には小さな円形が配されていて、周囲も列点文で埋められており、大変華麗な文様となっています。その下端には6個の台形の透孔をもつ倒卵形の鐔がつけられていて、把縁(つかぶち)金具で固定されています。また、鞘は飾板に直径1cmほどの円形打ち出し文が2列に施されています。
本例のような飾られた大刀は実戦用のものではなく、儀仗用のもので、7世紀に盛行します。