緑がかった透明ガラスの壺です。土が付着していたり、風化して銀色がかったところもありますが、それがかえって美しさを増しているといえるでしょう。吹きガラスで丸い壺を作り、口縁の下を折り曲げて張り出しをつけたあと、さらに飴細工のようにして10個の把手をつけています。ある書物に河南省洛陽の古墓から陶製駱駝や葡萄鏡とともに出土したと紹介されており、それによれば唐時代に墓に納められたものとなります。ただし器の形自体は3~5世紀に西方で作られたことを示しており、墓の年代とは数百年の隔りがあります。早くに中国に伝わり、何代にもわたって大事に受け継がれたものなのでしょうか。