横に長い長方形の石を3つの区画に分けて画像を描いたものです。石の表面を入念に磨き上げ、浅い線刻画を描き、図像のない部分は浅く彫り窪めて図像を浮き上がらせています。右の区画では、天蓋の下に男女が向き合って座っています。男子は耳杯で酒を飲んでいます。真中の区画では、樹木の中に4人の女子が楽器を演奏し、右端にはそれに合わせて踊る姿が見えます。左の区画では、牛車があり、それに童子が寄り添っています。長身でスマートな人物や山岳樹木の文様は北魏に特有のもので、わが国の飛鳥美術の源流ともなるものです。北魏の貴族文化の優雅さを、生き生きと伝えてくれます。