天理参考館
TENRI SANKOKAN MUSEUM

参考館セレクション

世界の考古美術武人埴輪(ぶじんはにわ)

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群馬県太田市世良田町出土
古墳時代後期 6世紀 高134.1cm 土製品
資料番号:日949

展示中 1-0

【重要文化財】

冑をかぶり、頬あてをつけ、膝上まで届く甲(挂甲)を着て肩と腕も防護し、弓を持って矢と刀を腰から下げた、完全武装の戦う人です。古墳からは甲冑の実物も出土しますが、紐や革の部分は腐って鉄しか残っておらず、それも小破片になっているため全体を復元することは困難であり、埴輪は非常に参考になります。本例ほどに細部まで表現した埴輪は他例がなく、挂甲の紐の位置や矢の入れ物(胡録)の構造、着用方法、籠手の構造まで観察することができます。群馬県伊勢崎市や太田市から出土した類似資料が他に4体知られており、武装についてだけでなく埴輪の製作地と使用地を調べる際にも貴重な資料です。日本画家速水御舟は、本例をモデルに大正15年院展出品作「供身像」を描きました。