黒陶高脚杯(こくとうこうきゃくはい)

黒陶高脚杯
こくとうこうきゃくはい

口縁にかけて緩やかに広がる縦長の杯部(上半部)と、その下に続く細長い筒状の脚部(下半部)で構成される黒陶の容器です。
脚部は、細長い透かしや、沈線による密集した弦(げん)紋などにより装飾性が高められています。ろくろによる高速回転を利用することで、非常に薄く成形されているのが最大の特徴で、その結果、想像を絶する軽さを実現しています。このように器壁が極端に薄いものを卵殻黒陶(らんかくこくとう)といい、中には0.5~1㎜という極薄のものも存在するようです。
黒陶とは狭義には、大汶口(だいぶんこう)文化後期にその源流が求められ、続く山東龍山(さんとうりゅうざん)文化で盛行することになる新石器時代後期の土器です。表面は炭素の吸着により黒色で、磨研により光沢をもつものが多くみられます。

中国 龍山文化 紀元前2500~2000年頃
高18.6㎝ 土器
資料番号:096-2

展示中 1-0
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