第165回展「祈りの考古学―土偶・銅鐸から古墳時代のまつりへ―」
本展は考古資料からみた古代人の祈りをテーマに、縄文・弥生・古墳時代の祈りの道具を展示します。
縄文時代を代表するのはやはり土偶です。女性を表現したものが多くみられ、中には晩期の遮光器土偶のように奇怪な容貌をした土偶もあらわれます。これまでに出土した土偶の総数は15,000点ともいわれますが、はたして縄文人はこの土偶にどのような願いを込めたのでしょうか。
弥生時代には大陸から水稲耕作と共に農耕のまつりも伝わりました。そうした中、銅鐸は近畿地方を中心に共同体による農耕祭祀の重要な道具となりました。一方、矛・戈・剣といった青銅の武器も大型化し武器形祭器へと変容していきました。ここでは武器形祭器の性格についても考えます。
奈良県天理市所在の布留遺跡は祭祀が行われた遺跡として大変有名です。古墳時代中期の祭場からは大量の滑石の玉や供献土器が、また古墳時代の流路からは琴や馬形、刀形・剣形・矢形などの多数の木製祭祀具が出土しています。布留遺跡の祭祀具を通して古墳時代のまつりを紹介します。
◆会期:2018(平成30)年9月28日(金)~11月24日(土)
◆開館時間:午前9時30分~午後5時30分 ※入館は午後5時まで
◆休館日:毎週日曜日
◆入館料:無料
◆会場:東京天理ビル9階 天理ギャラリー
◆ギャラリートーク(展示解説)
日時:2018(平成30)年9月28日(金) 午後1時30分から
担当:日野 宏 学芸員