第154回展「台湾庶民の版画・祈福解厄 ―幸せを願い、邪悪を祓う―」
幸せを願う人々の気持ちは昔も今も変わりません。台湾では、幸福を祈願し厄を祓う伝統儀礼が脈々と受け継がれています。祈りの後に焼く「紙銭(しせん)」(紙に印刷したり、ナイフで切込を入れたもの)は日常的に使われます。寺廟の側には、線香と共に紙銭を売る店が並んでいます。儀礼によっては特別に紙製の供物(紮糊、または紙紮といいます)を用意します。供物の文様は、以前は木版で印刷されていました。当館はこれらの資料を多数収蔵しています。
本展では、内容を「魔物ストップ!吉祥歓迎!」、「版画に祈る」、「願い事は何?」、「子供を守る女神」、「ここに神あり」、「燃やせば届く」の6コーナーに分け、紙製供物や木版画などを展示します。これらに加え、平成26年夏に台湾で撮影した成人儀礼と「中元・普度」の様子を、写真パネルと映像で紹介します。
儀礼の様子および紙製供物とその使用例から、台湾の人々の「祈福解厄」の想いが伝わってくるでしょう。
◆会期:2015(平成27)年2月21日(土)~4月4日(土)
◆開館時間:午前9時30分~午後5時30分
※入場は午後5時まで
◆休館日:毎週日曜日
◆入館料:無料
◆会場:東京天理ビル9階 天理ギャラリー
◆列品解説(ギャラリートーク)
日時:2015(平成27)年2月21日(土) 午後1時30分から、2月28日(土)午後3時15分から
担当:中尾 徳仁当館学芸員
◆講演会「中国民間版画の使われ方」
日時:2015(平成27)年2月28日(土) 午後2時から
講師:三山 陵氏(学術博士、中国民間美術研究)
展示図録
サイズ/B5版、カラー24頁、モノクロ2頁
頒 価/600円
※お問い合せ先 天理ギャラリー
出品リスト
No. 資料名 制作時期 地域 寸法
(一)魔物ストップ!吉祥歓迎!
1. 日進千郷宝 19世紀末期 台南米街 345mm
2. 時招万里財 19世紀末期 台南米街 336mm
3. 獅頭啣剣 19世紀末期 台南米街 208mm
4. 太極八卦 19世紀末期 台南米街 194mm
(二)版画に祈る
5. 旧祖宮・平安符 20世紀中頃 鹿港天后宮 294mm
6. 天上聖母 20世紀中頃 台南大天后宮 287mm
7. 「観音媽聯」版木 19世紀末期~20世紀初期 台湾 全長1230mm
(三)願い事は何?
8. 白虎 20世紀中頃 台湾 天地117mm
9. 十二元神 20世紀中頃 台湾 天地110mm
10. 太歳 20世紀中頃 台湾 天地109mm
11. 「陰陽銭」版木 20世紀中頃 台湾 天地176mm
12. 「サツ神銭」版木 20世紀中頃 台湾 天地144mm
13. 「五鬼」版木 20世紀中頃 台湾 天地120mm
(四)子供を守る女神
14. 七娘媽亭 1984年 台南 高1360mm
15. 七娘媽亭 2011年 台南米街 高1415mm
16. 献寿進禄 19世紀末期 台湾 205mm
17. 七娘媽亭 2011年 鹿港 高1371mm
18. 籃花簾 20世紀中頃 台南米街 171mm
19. 七.娘夫人 20世紀中頃 台南米街 241mm
(五)ここに神あり
20. 普度公座 20世紀中頃 推:台北萬華周辺 高631mm
21. 天公座 2011年 鹿港 高1245mm
22. 天公座 2011年 台南米街 高1505mm
23. 天官座 2011年 台南米街 高653mm
24. 地官座 2011年 台南米街 高645mm
25. 水官座 2011年 台南米街 高647mm
26. 双獅戯球 19世紀末期~20世紀初期 収集地:台湾 最大幅286mm
27. 一心誠敬 20世紀中頃 台南米街 490mm
28. 天官賜福 20世紀中頃 台南 272mm
29. 祈求平安 19世紀末期~20世紀初期 収集地:台湾 126mm
30. 多枝形吊灯台 推:19世紀 収集地:台南 幅800mm
(六)燃やせば届く
31. 金紙 20世紀後半 台湾 103mm
32. 「福禄寿」版木 20世紀前半 台湾 天地130mm
33. 「福禄寿」版木 20世紀前半 台湾 天地205mm
※寸法は「版面の天地(縦)」の値です。その他の場合は逐次表記しています。
※状況に応じて展示内容を変更することがあります。