第121回展 「明治の鉄道 -日本の鉄道開業-」
明治初頭、日本で初めて鉄道の営業が始まりました。今回は初期に開業した関東の新橋横浜間と関西の神戸大津間の鉄道にスポットを当て、館蔵の記録文書・時刻表・乗車券・錦絵などの資料から当時の鉄道の様子をご紹介し、その歩みをたどります。
◆会期 :2004(平成16)年2月23日(月)~4月3日(土)
◆開館時間:月~金 午前10時~午後6時/土・日・祝 午前10時~午後4時
※閉館30分前までにご入館下さい。
◆入館料:無料
◆会場:東京天理教館ビル9階 天理ギャラリー
◆列品解説
日時:2004(平成16)年3月7日(日)・3月28日(日) いずれも午後1時30分から
担当 :乾 誠二学芸員
◆主な展示品
・一等片道乗車券(鉄道創業当時)
・東京名所の内 新橋鉄道館蒸気車待合図(錦絵、明治初期)
・大阪神戸間時刻賃金表(阪神間開業時)
展示図録
サイズ/B5版、カラー23頁
頒 価/600円
展示詳細
明治5年(1872)、新橋横浜間に“陸蒸気(おかじょうき)”と呼ばれた蒸気機関車が姿を現しました。日本における鉄道の開業です。
それはその後の社会に大きな影響を与えていくこととなります。生活圏の拡大や輸送効率の向上などの生活・産業面はもちろん、蒸気機関車に乗るという行為は、人々の意識を江戸から明治へ変革させるものであり、まさに近代化を日本に浸透させる一因となったのです。
新橋横浜間を皮切りに、鉄道路線は関西でも建設が進められ、神戸、大阪、京都、大津と次第に延伸されました。特に、京都大津間の工事は、それまで指導を仰いできたお雇い外国人の力を借りず、日本人技術者のみの力によって完成しました。これは、日本の鉄道建設における技術的自立を示す第一歩として、大きな意義を持つものです。
本展では、明治5年から13年(1872~1880)における、関東(横浜新橋間)と関西(神戸大津間)の鉄道開業にスポットを当て、天理参考館蔵の鉄道行政文書、時刻表、乗車券、錦絵などから、その開業の経緯をたどり、かつて日本が経験した変革の時を振り返ってみたいと思います。
出品リスト
1.北亜墨利加合衆国帝王ヨリ献上貢物品々 蒸気車之図 推/嘉永7年(1854) W30.7×H22.4
2.アメリカヨリ大日本へ献上貢物品々 嘉永7年(1854)2月 W31.2×H24.1
3.西洋事情 初編巻之一 福沢諭吉 慶応2年(1866) W15.4×H22.1
4.鉄道略則 太政官 明治5年(1872)2月 W15.0×H22.0
5.鉄道略則 太政官 明治5年(1872)4月 W15.4×H21.9
6.鉄道犯罪罰例 太政官 明治5年(1872)5月 W14.8×H22.0
7.品川横浜間仮開業に関する通達 太政官 明治5年(1872)5月 W30.8×H22.0
8.品川横浜間仮開業に関する通達 工部省 明治5年(1872)5月 W30.1×H22.1
9.品川横浜間蒸気車増発の通達 鉄道寮 明治5年(1872)5月 W14.9×H22.0
10.品川横浜間時刻賃金表 大阪府 明治5年(1872)7月 W26.0×H21.8
11.品川横浜間蒸気車増発の通達 工部省 明治5年(1872)7月 W30.5×H22.2
12.東京蒸気車鉄道一覧之図 歌川芳虎画 沢村屋清吉版 明治4年(1871)11月 錦絵大判三枚 W74.7×H37.4
13.鉄道開業式につき当日の営業休止の通達 太政官 明治5年(1872)8月 W29.2×H22.5
14.東京横浜間鉄道開業式の詔書 神奈川県庁 明治5年(1872)9月 W25.7×H22.3
15.新橋横浜間時刻賃金表 京都府 明治5年(1872)9月 左W29.9×H22.1
16.日新記聞 第四号 新聞報社 金澤昇平刊 明治5年(1872)6月 W15.0×H22.0
17.路線上通行禁止の通達 大阪府権知事 明治5年(1872)11月 W29.2×H21.6
18.汐留より蒸気車御開業祭礼之図 昇斎一景画 岡沢屋太平治版 明治5年(1872)9月 錦絵大判三枚 W71.4×H34.9
19.東海名所改正道中記二 汐留鉄道館 新橋品川迄一り二十丁 歌川広重(三代)画 山崎屋清七版 明治8年(1875)8月 錦絵大判 W24.3×H36.0
20.新開名所 志ほ留鉄道館 歌川芳虎画 沢村屋清吉版 明治7年(1874)2月 錦絵大判 W25.0×H37.0
21.東京名所の内 新橋鉄道館蒸気車待合図 歌川国利画 深瀬亀治郎版 明治初期 錦絵大判 W24.7×H37.9
22.東京名勝図会品川八ツ山下鉄道 歌川広重(三代)画 小林鉄次郎版 明治6年(1873)1月 錦絵大判 W25.1×H36.3
23.東京名所之内 新橋ステンシヨン蒸気車鉄道図 歌川広重(三代)画 万屋孫兵衛版 明治初期 錦絵大判三枚 W71.5×H34.2
24.東京高輪真景蒸気車鉄道之図 歌川広重(三代)画 若狭屋甚五郎版 明治6年(1873)2月 錦絵大判三枚 W74.0×H37.4
25.鉄道独案内(新橋) 歌川芳虎画 伊勢屋兼吉版 明治5年(1872)9月 錦絵大判 W24.7×H36.6
26.鉄道独案内(川崎) 歌川芳虎画 伊勢屋兼吉版 明治5年(1872)9月 錦絵大判 W24.9×H36.4
27.東京新橋鉄道繁栄並高輪遠景 歌川国政(四代) 伊勢屋兼吉版 明治6年(1873)1月 錦絵大判三枚 W72.8×H37.6
28.東都高輪蒸気車往来之図 歌川芳虎画 政田屋平吉版 明治4年(1871)4月 錦絵大判三枚 W72.8×H35.9
29.高縄鉄道之図 月岡芳年画、年延助筆 丸屋甚八版 明治4年(1871)9月 錦絵大判三枚 W74.2×H37.0
30.六郷川蒸気車往返之全図 歌川広重(三代)画 上州屋金蔵版 明治4年(1871)11月 錦絵大判三枚 W73.3×H37.1
31.横浜新海地高嶌町鉄道之真景 歌川国松画 辻岡屋亀吉版 推/明治8年(1875) 錦絵大判三枚 W71.4×H36.4
32.横浜蒸気車鉄道全図 歌川国輝(二代) 和泉屋市兵衛版 明治3年(1870)2月 錦絵大判三枚 W72.8×H37.2
33.大阪神戸間時刻賃金表 鉄道寮 明治7年(1874)5月 W26.3×H35.1
34.大阪神戸間時刻賃金表 明治8年(1875)4月~10月 W48.9×H36.8
35.神戸大阪之間鉄道線路並平面概略図(扇) 明治7年(1874)8月 L25.7
36.鉄道会社株券雛形 鉄道会社 明治4年(1871) W26.2×H37.5
37.鉄道会社規則書(写) 鉄道会社 明治4年(1871) W19.0×H27.3
38.鉄道会社規則書 鉄道会社 明治4年(1871) W17.8×H26.8
39.鉄道建設に伴う株札(株券)売買を許可する通達 大蔵大輔 明治4年(1871)12月 W30.8×H22.4
40.大阪京都間鉄道建築の通達 太政官 明治5年(1872)2月 W30.2×H22.9
41.下賜金使途に関する文書 鉄道会社 明治7年(1874)2月 W36.8×H25.6
42.大阪向日町間試運輸開始の通達 工部卿 明治9年(1876)6月 W28.9×H22.2
43.大阪向日町間時刻表 明治9年(1876)8月 W16.4×H18.4
44.大阪大宮間時刻賃金表 鉄道寮 明治9年(1876)9月 W14.3×H20.2
45.鉄道開業式につき行幸の通達 太政大臣 明治9年(1876)12月 W29.8×H21.8
46.鉄道開業式に関する通達 大阪府 明治10年(1877)2月 W29.2×H22.1
47.西京神戸鉄道開業臨幸次第 京都府 明治10年(1877)2月 W17.4×H24.7
48.西京並大和御行幸図絵(抄) 金井徳兵衛刊 明治10年(1877)2月 W12.5×H17.5
49.大阪西京間鉄道線平面概略図 明治10年(1877)12月頃 W36.4×H24.6
50.西京神戸之間鉄道開業式諸民拝見之図 歌川広重(三代)画 福田熊治郎版 明治10年(1877)2月 錦絵大判三枚 W74.5×H37
51.坂府鉄道局開業式之図 長谷川貞信(二代)画 本屋安兵衛版 明治10年(1877)2月 錦絵中判横絵 W37.6×H16.9
52.浪花名所大阪府鉄道寮 長谷川小信画 綿屋喜兵衛版 明治初期 錦絵中判横絵 W36.2×H15.7
53.鉄道建設に関する建議(写) 大蔵卿 明治11年(1878)3月 W21.4×H29.0
54.汽車時刻及賃金表 鉄道局 明治12年(1874)8月 W18.2×H26.8
55.京都大津間汽車時刻及賃金表 文字冨之助刊 明治13年(1875)7月 W34.5×H25.8
56.鉄道測量技師出張の通達 工部卿 明治7年(1874)6月 W28.7×H20.9
57.双頭レール イギリス/ダーリントン社製、東京都港区出土 推/明治6年(1873) L24.7×H3.0×D2.9
58.片道乗車券(第一等~三等) 東京都・神奈川県 明治5年~9年(1872~1876) 左W5.7×H3.0
59.片道乗車券(第一等~三等) 東京都・神奈川県 明治9年(1876)以降 W5.7×H3.0
60.往復乗車券(上等・中等) 東京都・神奈川県 明治11年(1878)10月以降 W5.7×H3.0
61.往復乗車券 復片(中等) 大阪~京都間 明治11年(1878)10月以降 W2.9×H3.0