スポット展示 「御殿飾雛人形」
今年は二種類の御殿飾雛人形を展示いたします。
一つは屋根がある御殿で、これは天皇の御所である紫宸殿(ししんでん)になぞらえたものです。屋根も檜皮(ひわだ)で葺いてあったり、本殿だけでなく両側に渡り廊下でつながった脇殿もある本格的な御殿もあります。この雛人形は昭和初期に岡山市で販売された、本殿のみのコンパクトなタイプです。
もう一つは屋根のない御殿で、源氏枠御殿と言います。ちょうど『源氏物語絵巻』を見ているように御殿の内部を見ることができるからです。こちらは大正期の京都製です。
このような御殿飾雛人形は、江戸時代の終わりから昭和30年代にかけて西日本を中心に流行しましたが、組み立てるのに手間がかかることなどから現在ではほとんど姿を消しています。
今は目にすることが少なくなったこうした雛人形を是非ご覧下さい。
◆会期:2012(平成24)年2月22日(水)~4月9日(月)
◆会場:2階展示室 むかしの道具エリア 日本民家ステージ内