スポット展示 五月人形飾り(ごがつにんぎょうかざり)
今回は段飾りと台飾りの五月人形を展示しました。それぞれ京都と奈良からご寄贈を受けた資料です。段飾りは大正11年生まれの男児の初節句に製作された五月人形で圧巻です。鎧下の直垂(ひたたれ)姿の応神天皇(おうじんてんのう)と武内宿禰(たけのうちのすくね)、旗持ち従者を配する三人飾りです。関西では京都を中心に五月飾りも概して上品で温和な趣があり、人形は静的で色白端正な佇まいをしています。これに対して関東は鍾馗や金太郎など躍動感に富んだ勇士に人気があります。江戸時代には「十人が九人鍾馗か金太郎」という川柳もあります。馬だけでなく虎を飾りに添えるのも関西の特徴です。“虎は千里を駆けて千里を戻る”と言われ、男児の逞しい成長を望んで飾られるのです。
◆会期:2005(平成17)年4月6日(水)~5月9日(月)
◆会場:2階展示室 むかしの道具エリア 日本民家ステージ内
- 五月人形飾り 大正11年(1922) 京都市 応神天皇:高さ42.0cm
- 金太郎 大正時代 奈良県天理市 全高27.0cm
- 牛若弁慶 現在、大河ドラマで放映中の「義経」にもあった有名な一場面です。京の五条の橋の上で刀狩りをする弁慶に遭遇した幼き日の義経(牛若丸)が鞍馬寺での修行よろしく、ひらりひらりと跳んで弁慶を翻弄する様子をあらわしています。 大正時代 奈良県天理市 全高37.0cm
- 清正の虎退治 大正時代 奈良県天理市 全高33.0cm