第99回企画展「こけしⅡ―遠刈田と土湯・中ノ沢―」
こけしは豊かな森林資源を有する東北地方を代表する木の人形で、ミズキやカエデなどの木をろくろにかけて挽き、伝統的な模様を美しく描きだした愛らしい郷土人形です。江戸時代に木地師が湯治場のみやげものに作ったのが始まりで、比較的歴史は新しいものです。丸い頭と円筒形の胴という極めてシンプルなかたちですが、東北六県に分布する産地ごとに伝統的な約束事があり、それぞれが個性的です。師匠と弟子の間で継承されてきた技法の特徴で分けられたその個性を、こけしの世界では「系統」と呼び、現在は12系統に分かれています。本展では宮城県の遠刈田系と福島県の土湯系、そして平成30年に土湯系から分かれた中ノ沢系を取り上げます。今回は昭和10年代に作られたものを中心に“対比”の視点で紹介する試みで、師弟間の筆致の違いや同じ作り手の模様の変遷など、様々な角度からご覧いただきます。本展がこけしと、こけしを育んだ東北地方を再発見する機会となれば幸いです。
会 期:2025年7月23日(水)~9月8日(月)
休館日:8月5日(火)・8月12日(火)~17日(日)・8月19日(火)・9月2日(火)
時 間:午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
入館料:大人500円・団体(20名以上)400円・小中高生300円
※常設展示もご覧いただけます
会 場:天理大学附属天理参考館 3階企画展示室【交通アクセス】
主 催:天理大学附属天理参考館
関連イベント
●講演会 トーク・サンコーカン
2025年7月23日(水) 午後1時30分~3時〔研修室 開場:午後1時〕
講師:幡鎌 真理(当館学芸員)
定員:100名(当日先着順)要入館券
●マンデートーク
2025年9月8日(月) 午後0時30分~1時20分〔3階企画展示室〕
講師:幡鎌 真理(当館学芸員)要入館券
出品予定資料(一部)
- 遠刈田系こけし 左端:佐藤直助
- 土湯系こけし 右端:佐久間虎吉
- 中ノ沢系こけし 岩本芳蔵