第96回企画展「布留遺跡の歴史―物部氏より前から後まで―」
96th Feature Exhibition
History of Furu Site:Before & After Mononobe Clan
天理参考館の周辺は、古墳時代に古代豪族物部氏が暮らした大きな集落遺跡、「布留遺跡」です。布留遺跡では約80年にわたって発掘調査が行われた結果、古墳時代だけでなく旧石器時代や縄文時代、そして古代から中世の多くの遺構や遺物が見つかっていて、長きにわたってこの地で営まれた人の暮らしの痕跡を示しています。
本展は、発掘調査の写真と出土品を駆使して、縄文時代から中世に至る布留遺跡の長い歴史をたどります。
会 期:2024年7月10日(水)~9月9日(月)
休館日:7月16日(火)・23日(火)・8月6日(火)・13日(火)~17日(土)・20日(火)・27日(火)・9月3日(火)
時 間:午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
入館料:大人500円・団体(20名以上)400円・小中高生300円
※常設展示もご覧いただけます
会 場:天理大学附属天理参考館 3階企画展示室 【交通アクセス】
主 催:天理大学附属天理参考館
後 援:天理市・歴史街道推進協議会
協 力:天理市教育委員会・天理大学歴史文化学科
第96回企画展こども向け解説パネル&ワークシート(ファイルサイズ:1.77MB)
関連イベント
●記念講演会
「発掘調査からみた河内の物部氏―阿都の別業・渋河の家―」
2024年8月24日(土) 午後1時30分~3時〔研修室 開場/午後1時〕
講師:樋口 めぐみ氏(八尾市魅力創造部観光・文化財課)
定員:100名(当日先着順)
受講料:700円(入館料含む)※当日午前9時30分より受付にてチケットを販売します。
●記念講演会
「布留遺跡にみる縄文社会の特質」
<<開催日時を変更しました>>
2024年9月9日(月) 午後2時~3時30分〔研修室 開場/午後1時30分〕
講師:松田 真一(当館特別顧問)
定員:100名(当日先着順)要入館券
●トーク・サンコーカン(学芸員による講演会)
「布留遺跡の要点ベスト10」
2024年7月13日(土) 午後1時30分~3時〔研修室 開場/午後1時〕
講師:藤原 郁代(当館学芸員)
定員:100名(当日先着順)要入館券
●ギャラリートーク(マンデートーク) 各回同一内容
①2024年7月22日(月)
②2024年9月2日(月)
いずれも午後0時30分~1時20分〔3階企画展示室〕
講師:藤原 郁代(当館学芸員)要入館券
出品予定資料(一部)
物部氏の前 旧石器・縄文時代
布留遺跡とその周辺で出土した最も古い遺物は旧石器時代の石器であり、その後、時期によって多寡はあるものの、縄文時代を通して遺構や遺物が発見されている。多くの資料が得られているのは早期と後期である。ここでは旧石器時代の石器から早期の土器・石器と、礫を集めた土坑の切り取り、後期の土器と翡翠製大珠を展示する。翡翠製大珠は近畿地方で5例しか出土していないが、2点は布留遺跡と天理市別所ツルベ遺跡である。その2点を並べて展示している。
物部氏の前 弥生時代
弥生時代の遺物は布留遺跡内では少なく、周辺の丘陵上で住居跡や墓が見つかっている。祭祀用の土器や石包丁に加えて銅鏃、何かの鋳型も出土しているので、少数ではあるが人が住んでいたことがわかる。ここでは土器類のほか、未報告の土製鋳型を初公開している。
物部氏が暮らした頃 古墳時代
古代豪族物部氏がこの地で暮らした時代であり、大規模な遺構と多種多様な遺物が見つかっている。重要な遺構は写真パネルで紹介し、遺物は生活用具、生産に関わる物、祭具、搬入品に分けて展示している。特に、古墳時代の布留遺跡を代表する遺物と言っても過言ではない木製刀装具は、ほぼ全点を展示している。さらに発掘調査によって発見された小規模群集墳を紹介、出土品を展示している。
物部氏の後 古代
丘陵上で用途不明の大型建物が見つかった平尾山遺跡、中国唐で作られた海獣葡萄鏡が出土し、左大臣石上麻呂の墓と想定されている杣之内火葬墓の出土品を展示する。また平安時代に存在した石上神宮の神宮寺、良因寺跡と考えられている三反ヲサ地区出土品と図面、写真は未報告であったが、初公開している。
物部氏の後 中世
二重の濠の内部から池のある庭と大型建物が見つかり、中世土豪の豊田氏の屋敷跡と考えられている。そこで出土した中国製や国産の陶器類を中心に展示する。
3階ロビーでは布留遺跡の南に位置する最大の前方後方墳、西山古墳の墳丘500分の1模型、天理市黒塚古墳出土三角縁神獣鏡レプリカ(鏡面を展示)、杣之内火葬墓出土海獣葡萄鏡の大型模型を展示する。 また展示室内には展示に関わる質問を設置しており、夏休みの宿題の手助けとしたい。3階ロビーには、質問の答えと展示の印象をオノマトペで表現する投票パネルを設置している。
- 天理参考館この一品
第8回
「布留遺跡・円筒埴輪」 2分24秒
- 天理参考館この一品
第31回
「日本・馬形埴輪」
2分32秒
- 天理参考館こころ
第6回
「時代をうつす一枚の鏡 ―海獣葡萄鏡―」
12分51秒
参考館セレクションでは当館が収蔵する約30万点の資料の中からセレクトして一部を紹介しています。本展に展示する資料も以下のリンクより詳細をご覧いただけます。資料名をクリックして下さい。
▷海獣葡萄鏡 ▷馬形埴輪 ▷木製刀装具 ▷弥生土器 ▷縄文土器 ▷布留式土器 ▷韓式系壺 ▷ガラス小玉鋳型 ▷布留遺跡の祭場出土土器と玉類 ▷火焔形透しの高杯